2017年度 理事長所信

理事長  瀧柳 伸央 

スローガン


はじめに

 私が住む調布市は年々姿を変えています。多くの農地が住宅やマンションに姿を変え、 渋滞を作っていた狭い道路が都市整備計画に伴い、市内の南北を縦断する道路の一部とな りました。2000 年には、市内に大きな競技場が建設され、プロスポーツチームの試合やコ ンサートが定期的に開催されるようになり、多くの人がこの街を訪れるようになりました。 現在、調布駅は地下化され、駅の跡地には大型の商業施設ができようとしています。また、 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、新たな競技施設の工事が進んでいます。2019年のラグビーワールドカップ、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックな ど、世界的なスポーツイベントが訪れようとしているこの街には、たくさんの期待と希望 があります。 駅前の再開発が進む一方、市内にはまだまだ多くの自然が残されています。市内を横断 する多摩川や野川には多くの動植物が生息し、武蔵野の雑木林には、湧水と春の若葉の鮮 やかな緑、夏の暑さをしのぐ木陰、秋の紅葉、冬の落葉など、訪れる人に日本ならではの 季節を感じさせてくれます。 人は誰もが様々な形で「原風景」持っていると聞きます。原風景とは、人の心の奥にあ る最初の風景のことで、それを見たとき、人は懐かしさや心の落ち着きを感じるそうです。 私の原風景は自宅のすぐそばにある野川と国分寺崖線です。曲線を描きながら西から東へ 流れる野川、その後ろに沿うように連なる国分寺崖線、そして所々に残る武蔵野の雑木林。 私はこの景色を見ると心が落ち着きます。 調布はたくさんの期待と希望を感じる都市機能と人々の心落ち着かせる自然、この両方 が融合したとても魅力的な街です。本年度はこの街の魅力を一人でも多くの人に伝えられ るよう青年会議所の運動を展開していきます。

中長期ビジョンの実現に向けて

 調布市は 2019 年のラグビーワールドカップ、2020 年の東京オリンピック・パラリンピッ クの開催地に決定しています。多くの観光客が訪れる両大会の期間中は、調布市の魅力を 伝える絶好の機会です。地元・調布の青年会議所として街の魅力を伝え、安心して訪れて もらえるようなまちづくりにいかに貢献できるのか。世界中から多くの人が訪れるこの機 会に向けて、「調布に恋する市民があふれるまち」「世界に誇れる調布」を実現させるため、様々な事業を提案していかなければなりません。

街の魅力を伝えるスポーツツーリズムの振興

 現在、観光庁では、地域の特性を生かし、かつ多様化する旅行者のニーズに合わせた観 光を提供するニューツーリズムの振興を図っています。そのひとつがスポーツツーリズム です。スポーツツーリズムは、さまざまな形でスポーツイベントを楽しむだけでなく、イ ベント開催先の文化的な資源や地域の人々との交流を含んだ観光を楽しむスタイルのこと です。  2019 年に開催されるラグビーワールドカップは、過去三回の平均観客動員数が 200 万人 を上回るビックイベントです。また、1 チームにつき 1 週間に 1 試合しかが行われないため、 開催期間が他のスポーツイベントより長く、観戦に訪れる観光客が試合の合間に都市を観 光して回る傾向があります。調布市内はもちろん、東京中をじっくり観光できる時間があ ります。  では、日本全国、海外から訪れる観光客に対して調布のどのような魅力を発信すべきな のでしょうか。調布は都心や空港からのアクセスがよく、市内には深大寺や神代植物公園 などの観光地に加え、味の素スタジアム、その周辺のスポーツ施設、映画の撮影所、そし て湧水が出る崖線、多摩川、野川といった自然空間など、人を集めることが出来るさまざ まな施設や場所があります。  外国観光客のニーズ把握調査では日本の食、ショッピング、自然・景勝地観光が上位に、 次いで日本の歴史・伝統文化体験、芸術鑑賞などがあがります。日本の古都・京都の観光 客数は年間約 5,700 万人、外国人宿泊者数は前年比 73%アップの 316 万人と年々増加して います。調布にも深大寺をはじめとした京都に勝るとも劣らない「和」の文化があり、観 光客のニーズに応える観光資源は十分に揃っています。  効果的なスポーツツーリズムの振興のためには、2 年後、3 年後に開催されるスポーツイ ベントに向け、今から準備しなければ魅力を伝える時間が短く浸透しません。行政を巻き 込みながら、我々のような地域の関係団体や、民間事業者が、自らの街の観光資源や自然 環境、インフラの状況を改めて確認し、地域レベルで方向性を共有し、どのように各資源 を生かしていくか議論し青年会議所として、街の魅力をどのように発信すべきか提案して いきたいと思います。

未来へ向けた夢を抱く青少年の育成

 スポーツには人の心を動かす力があります。ルールが分からなくても、何となくスポーツを観ていて感動したり、影響を受けた経験が誰にでも一度はあると思います。真剣な表 情や一瞬たりとも気を抜かず一生懸命に取り組む姿勢に、人は心を魅了されてしまう、そ れがスポーツの力なのだと思います。 調布青年会議所には 30 年以上継続してきた青少年事業があります。皆さんご存知の「わんぱく相撲」です。勝ちたい一心で一生懸命取り組んだ結果、勝って泣き、負けて泣き、 参加した選手たちには勝つことの喜びや負けることの悔しさだけでなく、さまざまなドラ マが生まれます。毎年、来場した観客だけでなく、我々青年会議所のメンバーもすがすが しい気持ちで大会を終えるのは、このドラマを観て感じているからだと思います。一生懸 命取り組んだから自分の意思とは関係なく、自然と涙が出てくる。それが人の心を掴みま す。一生懸命取り組んだ結果、成功体験として得られる成長、そして失敗し、その失敗を 繰り返さないと反省することから得られる成長。成長には様々なパターンがあります。そ れを手助けするのは親や身近にいる大人です。大人の接し方、言葉の投げ方次第で子供の 成長が変わります。

新たな人材の発掘とLOMの結束力の強化

 調布青年会議所の正会員数は年々減少しています。40 歳で卒業を迎える青年会議所は常 に新たな人が入らなければ、たちまち人数が減り、組織が衰退してしまいます。本年度は 理事長である私が先頭に立ち、メンバー全員で正会員の拡大を推進していきます。調布青 年会議所に入会してもらうためには、我々の運動についての情報発信の方法が重要です。 魅力的な事業の開催だけでなく、ホームページや SNS 広報誌等の広報活動を充実させ、認 知度を高めるような情報発信を徹底していきます。  また、近年、メンバー同士の交流、結束力が弱くなってきているように感じています。 本年度はメンバー同士の交流を深め、お互いを知ることで、同じ目標を持った結束力の強 い仲間を作り上げていきたいと思います。また、メンバーには調布だけでなく日本全国で 開催される青年会議所の事業に積極的に参加し、さらに東京、関東、日本の青年会議所に 出向して、青年会議所にはさまざまな人間がいることを感じてもらい、それぞれが持つ特 性をみて、自分に生かせるところ、学ばなければいけないところを見つけましょう。それ が自分の成長にも繋がります。

次代につなげるための公益制度に対する理解の普及と組織再確認

 調布青年会議所は 2012 年に一般法人から公益法人に移行し、今年で 6 年目を迎えます。 しかし、今はまだ苦労して取得した公益法人の持つ特性を生かし切れていません。青年会 議所が考える「公益」と公益制度法人改革が求めている「公益」とは根本的な意味合いが 異なっていたため、制度を遵守する代償として組織運営に支障をきたしています。公益法 人とは何か。法人格を持つ利点や一般法人との違いは何なのか。苦労して先輩方が取得し た公益法人を何も生かせないまま、決められたルールを遵守しているだけでは、運動の活 性化にはつながりません。本年度は、公益法人格を保持することで何ができるのか。行政 や他の青年会議所へのヒアリングを行い、今後の方向性についてメンバー間での議論を重 ねていきたいと思います。

おわりに

 私は青年会議所に入会するまで、自分が住む調布について、あまり深く考えることがあ りませんでした。明るい豊かな未来を作ろうという大きな目標を掲げ、街の問題点を考え、 解決しようとするこの団体に入会し、自然と自分の街について真剣に考えるようになりま した。近年、地域団体が「JC しかない」時代から「JC もある時代」に変わったと言われま す。市内にはさまざまな団体が立ち上がり、多くの人たちが街のため、未来のために活動 しています。  調布青年会議所には 46 年の歴史があり、先輩たちが築いてきた信頼があります。そして、 他のどの団体にも負けない人脈があります。現役メンバーの横の繋がりを使い、街の問題 点、活性化をする運動を起こし、行き詰まれば多方面で活躍されている 500 人を超える先 輩方の縦の繋がりを生かし助言を求めることができます。  入会して 7 年、青年会議所を通じて出会った人たちとの繋がりと信頼関係、そしてそこ から成り立つ交流の発展を今実感しています。一人で動くのではなく協力してくれる仲間 が作れるのが、青年会議所の繋がりであり、強みです。この繋がりは青年会議所を卒業し ても途切れることはありません。青年会議所で築いた縦と横の繋がりを生かし、この街を さらに魅力あふれる「世界に誇れる調布」にしていきましょう。




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