理事長所信

2024年度 理事長所信

青年会議所とは理事長所信

2024年度スローガン

悲観主義は気分によるものであり、

楽観主義は意志によるものである。

 

気分にまかせて生きている人はみんな悲しみにとらわれる。いや、それだけじゃない。やがていらだち、怒り出す。

本当をいえば、上機嫌など存在しない。気分というのは正確にいえばいつも悪なんだ。だから、幸福とはすべて意志と自己克服とによるものである。

アランの幸福論より

 

ちゃんと、おもしろく。

この言葉にこめた想いは、「意志をもって調布青年会議所をおもしろい場所にデザインしよう」ということです。たのしいことがあるから、笑うのではない。笑うから、たのしくなるのだと思います。おもしろいことがあるから、おもしろくなるのではありません。おもしろがるからこそ、おもしろくなるのだと思います。この順番を意識することが、「ちゃんと、おもしろく」にこめた想いです。2024 年の調布青年会議所の組織運営は、「どうすればおもしろくなるか」を意識して行います。ペナルティ(罰則)ではなく、インセンティブ(報酬)で考える。北風ではなく、太陽の手法で委員会運営、事業構築を行います。

 

 

〔基本方針〕

 

青年会議所という組織のいちばんの強みは、人の集いだと思っています。

東京のみならず、日本、世界にそのコミュニティを持って多くのメンバーが活動していることが、この組織の最大の強みです。人が集まり、情報を交換し、意見を交わし、ひらめきを与えあい、共に過ごすとき、特別なことが起こる可能性があります。

 

しかし、近年の調布青年会議所は、その「集う力」が弱くなってしまっています。価値観の変化、選択肢が増えたこと、理由はいろいろあるのだと思います。でも、そんなことを言っていてもはじまりません。わたしたちの強みは、人が集まることで発揮されるのですから。

 

さまざまなコミュニティを研究していると、人が集まり長期間継続しているコミュニティには共通点があることが分かります。その共通点とは「やさしさ」「つよさ」「おもしろさ」の3つの要素を兼ね備えているということです。

 

「やさしさ」とは、所属メンバー、そのコミュニティに携わる人々にとって「あってほしいコミュニティ」であることの大前提です。たとえば、入会してくれたメンバーが分からないことがあって困っているとき、会に溶け込めず戸惑っているとき、声をかけてあげられているか。メンバーには家族がいます。会議が遅くなって、メンバーの家族に心配をかけていないか。地域のみなさまとお付き合いをさせていただくなかで、失礼やご迷惑をおかけしていないか。あらためて考えてみる必要があると思います。

 

「つよさ」とは、実行力・実現力を持つということです。大人気漫画「ワンピース」のなかで、「やさしいだけじゃ人は救えない。」というセリフがあります。「つよさ」の伴わない「やさしさ」は脆いです。しかし、「やさしさ」のない「つよさ」もまたそれは「つよさ」の本質ではないと思います。調布青年会議所が「頼られる組織」「あってほしいと望まれる組織」であるためには、「つよさ」も必要不可欠だと思っています。

 

そして、「おもしろさ」です。

おもしろさが場をつくり、人が集まる理由になります。調布青年会議所の魅力になります。個性になります。重要なのは、「やさしさ」「つよさ」の順番を経てある「おもしろさ」ということです。悪い例でいえば、イジメのようなことをしたって「おもしろい」ということは成立するのだと思います。しかし、それでは決して人は集まらない。わたしたちが目指す「おもしろさ」とは、必ず「やさしさ」と「つよさ」を含んだものです。

 

 

〔会員拡大・組織力向上〕

 

調布青年会議所の仲間を増やすためには、まず、じぶんたち自身が調布青年会議所のことを大好きでいる必要があります。大切なひとを、家族を、調布青年会議所に招きたいと思えていれば、自然と仲間は増えていくはずです。また、わたしたちのことをもっと多くの人たちに知ってもらう必要もあるでしょう。委員会、理事会、例会、わたしたちの普段の活動をできうる限り公開し、知ってもらう努力をしようと思います。そして、事業を実施する際は、なるべく多くの他団体の方々と協力して取り組みたいと思います。情報を交換し、意見を交わし、共に過ごしながら視野を広げ、新しい調布青年会議所にアップデートしていきます。

 

「人はじぶんが扱われたように、他人(ひと)を扱う」という言葉があります。

調布青年会議所に入会してくれたメンバーをどのように扱うかは、会の組織力に直結する問題です。青年会議所には独自の言語、ルール、文化が存在します。ひとりでも多くのメンバーに調布青年会議所を「居心地のいい場所」「あってほしい組織」と思ってもらうためには、トレーナーのようにやさしさを持って寄り添うチームが必要不可欠です。やさしく教えてくれる人がいること。やさしく聞いてくれる人がいること。悩みや不安を抱えているメンバーに寄り添い、彼らが調布青年会議所を大好きになってくれることは、間違いなく組織力の向上に繋がるはずです。

 

渡り鳥の群れがなぜバラバラにならないのかご存知でしょうか。

群れをつくって飛ぶ鳥のリーダーはその時々に応じて変わります。群れは個々の鳥の集合体でしかありません。それなのに群れ全体としての意思を持っているかのように、目的地まで進むことができます。このようにバラバラな個体が群れとして活動するために、鳥たちの DNA に3つの原則が刻み込まれているのだそうです。方向感覚と、距離感覚、中心感覚の 3つです。バラバラの個体が1つの群れを成して飛び続けるためには、未来の景色という方向感覚、仲間と共有する価値観という距離感覚、未来に向けた意思の矢印という中心感覚の 3つが必要だといわれています。この3つは、ドラッカーが提唱したミッション・ビジョン・バリューととてもよく似ています。ミッションが中心感覚で、ビジョンが方向感覚、バリューが距離感覚です。わたしたちも、それぞれ別の意思を持った個として生きながらも、1つの組織をつくっています。時には組織の向かう方角が急激に変わることもありますが、それでもバラバラになることなく進み続けなければなりません。

 

 

〔青少年育成〕

 

青少年育成事業は、もしかしたら最も多くの人に「青年会議所と言ったら」と知っていただいている事業かもしれません。代表的なのが、小学生のわんぱく相撲です。子どもたちの笑顔と涙、真剣なその眼差しは、わたしたち自身も多くの気づきをもらいます。昨年は、男子が 6 年生の東京選抜チームに選出されました。女子は、団体で 3 位に入り、全国大会に出場しています。本年も、最高のドラマが生まれる「わんぱく相撲調布場所」を開催いたします。ぜひ、会場で熱いドラマを多くの方にご覧いただければと思います。

 

また、調布青年会議所では、わんぱく相撲以外にも青少年育成事業を行っています。

それは、子どもたちこそが未来の可能性だからです。いま、世の中には、たくさんの規制やルールが存在します。公園の禁止事項を見ればそれは一目瞭然です。子どもたちが、なにかに興味を持ち「やってみたい」と思ったとき、規制やルールの壁にぶつかり諦めてほしくない。「どうせできない」「なにかきっとできない理由がある」と、はじめる前から諦めてほしくない。それは、子どもたちの未来の可能性を奪うかもしれないからです。わたしたちは、子どもたちと「どうすれば実現できるか」を考えます。「できない理由」ではなく、「できる方法」について話し合います。

 

 

〔まちづくり〕

 

同じ景色を見ていても、人によって見え方はそれぞれです。

独身の男性が見る調布のまちの景色と、ご夫婦が見る調布のまちの景色ではその景色に別の色合いや意味を見出すこともあるでしょう。お子さんがいる人、大切なひとの介護をされている人、それぞれ見えるまちの景色は違うでしょう。ずっと調布に住んでいる人のまちの景色と、最近調布に引っ越してきた人のまちの景色も違うはずです。それなら、わたしたちだけで「まち」のことを考えるのではなく、いろんな人たちと話をし、時に一緒に力を合わせながら事業を構築していく必要があると思います。そのために、調布のまちで活動する様々な方々と積極的に交流していきます。委員会にお招きし、意見を交わし、さまざまなイベントにも積極的に顔を出していきたいと思っています。ぜひ、調布青年会議所にお声がけいただければと思います。

 

〔おわりに〕

 

2024 年の調布青年会議所は、おもしろくなります。

 

青年会議所という組織のいちばんの強み、人の集いの最たる「第  5回東京ブロック大会」がこの調布の地で開催されることも理由のひとつです。東京中からたくさんの人たちがこの調布の地に集まります。公益社団法人日本青年会議所関東地区東京ブロック協議会が主催し、公益社団法人調布青年会議所が主管として開催するこの大会は、調布青年会議所の、そして、調布のまちのポテンシャルを内外にアピールする絶好の機会です。

 

2020 年に開催予定だった大会ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で実現しませんで

した。しかし、あれから 4 年が経ち、パンデミックを乗り越え、新たなメンバーを迎えた今の調布青年会議所でブロック大会調布大会を迎えられることに意味を感じています。

 

ブロック大会の成功は、私たちだけではありえません。

携わるすべての人がひとつになること。調布のまちがひとつになること。それがブロック大会成功のために欠かせないことだと思っています。

 

苦しいこと、大変なこともたくさんあると思います。

しかし、宣言します。わたしたちは、どのような状況になっても、「やさしさ」を決して忘れず、そこに「おもしろさ」を見出す「つよさ」を持ち続けることを。

 

おもしろくなる調布青年会議所に、ご期待ください。

 

 

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